にんじんの量と質。両方を求めて邁進
にんじんの反収は全国平均的に3〜3・5トンといわれますが、ここは当初2・5トンでした。反収5トンの目標を定め、先行投資で土作りにお金と時間をかけ、3年で3・5トンが見え始めました。収量と同時に、糖度や姿形などの品質向上も図っています。高品質で高栄養価、多収穫を実現するのが目標です。手間暇かかるのが有機農業ではなく、栄養価が高く慣行以上に収量が上がり、味も良い、虫にも強い、連作障害も少なくなるという理論を信じて進んでいます。
葉の状態や湿度、土の状態を感じることが大切
昔ながらの農業のやり方に科学的な分析などの進化した部分を導入しながら、大事なところを忘れない。ただ分析結果の通りにするのではなく、葉の状態や湿度、土の状態を感じることが、いまの時代に必要な野菜作りの基本、農業の醍醐味だと思います。今年のにんじんは糖度が12度ぐらいで、非常に甘いと評判です。去年までは10度ほどで、一般の7〜8度よりは甘かったのですが、今年は特にいい。知識や知恵が蓄積され、経験値を踏まえ、いろいろな作柄に対するアプローチができつつあります。